国内2030年・2050年環境Vision/サステナビリティ中期計画

国内2030年・2050年環境Vision

気候変動問題への対応は最も重要なテーマの一つと認識しており、2050年カーボンニュートラルに向けて挑戦すること、CO2排出量を2013年度比で2025年38%、2030年46%削減を目標とする環境Visionを策定しました。
カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネルギーを促進するとともに、再生可能エネルギー、代替材(バイオコークス等)、CCUS(二酸化炭素回収・貯蔵)を検討していきます。

国内2030年・2050年環境Vision

(注1)Scope1:当社設備に適合する革新的な技術開発やインフラ整備含め、計画的に実行されることを考慮しています
(注2)Scope2:電力会社による原子力発電・再エネ等の電力比率の向上や電力係数の改善効果を考慮しています
(注3)国内鉄鋼事業に限定していますが、国内事業所のエネルギー消費の約93%を鉄鋼事業が占めています

サステナビリティ中期計画

特定したマテリアリティについて、2025年度をターゲットとした中期的な目標と、それを実現するための短期的な年度目標を設定しました。これに基づき、PDCAを回し、推進していくとともに、サステナビリティ委員会での検討を経て深化させていきます。

マテリアリティ 項目 対応するSDGs 自社のリスク/機会 目指す姿 2025年度 2024年度
中期目標※1 年度目標※1
E
環境
気候変動 気候変動リスクへの対応 <機会>
  • CO2排出量が税や価格等に反映されるようになった場合、高炉製品と比較して製造段階におけるCO2排出量が少ない電炉製品に競争優位性が生じる
<リスク>
  • 原材料、電力等エネルギー、水等のコストが上昇、または供給が不安定になる可能性がある
  • カーボンプライシングなどに伴い燃料価格が高騰し、コストが上昇する可能性がある
2050年のカーボンニュートラルな社会を見据え、革新的な脱炭素技術の導入や、省エネルギー施策を促進し、可能なセクターでは再生可能エネルギーを活用する
  • 2025年度までに、気候変動に伴う移行リスク、物理的リスクによる財務的影響を開示する
  • TCFD提言に基づきカーボンプライシングが導入された場合の潜在的影響額の算定およびリスク対応費用の開示を継続する
温室効果ガスの排出削減
  • CO2排出量を38%削減する(2013年度比)※2※3
  • CO2フリー燃料(水素・アンモニア等)を使った次世代工業炉開発の状況やCO2フリー燃料のサプライチェーン拡充の状況を捕捉する為に、引き続き専門業者や大学の研究機関との連携を実施する
  • Scope1及びScope2は、国内連結子会社全てのGHG排出量を開示する
  • Scope1及びScope2は、海外連結子会社のSYSは全てのGHG排出量を開示し、新たな拠点であるインドネシアは全てのGHG排出量算定の仕組み作りを整備する
  • Scope3は、ヤマトスチール単体を対象に算定・開示を実施する
エネルギー利用効率化
  • CO2排出原単位を20%削減する(2013年度比)※2※3
  • 同上
再生可能エネルギーの活用
  • 2025年度までに、再生可能エネルギーを一部の事業部門に導入する
  • 太陽光発電設備及びシステム導入後の運用体制を整備する
資源循環 資源の循環利用 <機会>
  • 電炉は鉄スクラップを原材料として鉄を作っていることから、リサイクルや資源の循環利用を社会に対し訴求することができ、競争優位につながる
  • 廃棄物再利用率の向上により、より高い資源循環を実現することができる
<リスク>
  • 廃棄物の販売先減少により廃棄物の再利用ができなくなった場合、リサイクル率が低下する
鉄スクラップの高度な循環利用を促進するエコシステムの拡大によりサーキュラーエコノミーを実践し、サステナブルな社会の実現に貢献する
  • 一般廃棄物のゼロエミッションへ挑戦する
  • 産業廃棄物のリサイクル率を5%向上させる
  • 廃棄物・リサイクルに関する環境教育の実施を継続すると共に、一般廃棄物の減少に向けプラスチック等の資源リサイクル燃料の活用の拡大を進める
  • 有価物販売先の模索およびニーズに応じた加工処理方法を継続して検討し、更なる廃棄物の削減を進める
環境配慮型商品 環境配慮型製品・サービスの開発 <機会>
  • CO2排出量が税や価格等に反映されるようになった場合、競争優位性となる(施主がCO2排出量が少なく、低価格な電炉製品を選択するようになる)
社会全体のCO2排出量削減、環境負荷低減に寄与する製品・技術を開発する
  • 環境認証製品の普及促進により、CO2排出量の少ない製品を供給することで社会全体のCO2排出量削減に貢献する
  • 他業種との廃棄物の有価物活用の可能性を継続して検討する
  • 環境認証※4の認知度向上のためのPR活動を継続して実施する
  • 最適なバイオコークス製造プロセスを確立するための体制を整備する
  • 環境負荷低減に寄与する製品の開発を継続して検討する
S
社会
製品責任 製品品質の確保 <リスク>
  • 商品にトラブルが発生した場合、大きな影響が出る
  • 外注業者における納期遅延、品質問題が発生した場合、レピュテーションリスクにつながる懸念がある
鉄鋼・重工・軌道用品事業を通じ社会インフラを支える責任を自覚し安全・安心で高品質・高付加価値な製品・サービスの提供を何よりも優先する
  • クレーム件数を25%改善する (2020年度比)
  • 鉄道・船舶輸送の一翼を担う企業として品質管理を徹底し、重大有責事故ゼロを継続する
  • 高炉の生産縮小に伴い大型製品の物件向け販売比率の更なる増加が見込まれるため、大型製品の品質向上に注力し、厳格な品質管理水準の維持に取り組む
顧客への情報開示/コミュニケーション強化 <機会>
  • 顧客満足度を高めることで当社製品を選んでもらえる可能性が高くなる
<リスク>
  • 必要に応じ顧客に対する情報開示を実施しているが、広く社会に認識されていないことにより機会損失やレピュテーションリスクが発生する懸念がある
お客様、そして社会の声を聴き、新しい価値の提案や継続的改善を行う
  • 利害関係者からのニーズと期待を明確にし、顧客満足度向上を図る
  • 大型製品の品質維持に向け、品質保証体制の厳格化および、現場指導・社員教育の強化を図る
  • お客様とのコミュニケーションの充実を図り、製販一体で顧客満足度向上に取り組む
人材育成 人材育成 <機会>
  • 多様なプロフェッショナル人材を起用することにより、高付加価値な製品・サービスを創出することができる
<リスク>
  • 事業拡大に伴い人員不足に陥る懸念がある
  • 優秀な人材の獲得競争が激化する
サステナビリティに取り組むことで社員のロイヤルティーを高め、企業理念(MISSION, VISION, Yamato SPIRIT)の実践に不可欠な最先端の技術力や柔軟な企画力などを備えた多様なプロフェッショナル人材がグループ全体で循環し、グローバルに活躍できる企業となる
  • グループ間の人材交流に加え、グループを横断しての配置転換やキャリアパスにより、グローバル人材の育成を促進する
  • 最先端設備の導入や操業経験で培った鉄づくりの技術をグローバルに展開し、グループ全体の技術力向上・DX推進を図る

    <制度整備・導入>

  • 新人事制度、各種制度の定着、充実化、適宜の見直し
  • 人的資本経営に関わる具体施策の実行
  • エンゲージメントサーベイの継続実施、施策への反映
  • <組織力向上>

  • グループ横断のジョブローテーションの実施
  • 新卒・キャリア採用をさらに強化し人員の充実化
  • 海外JVとの連携による海外出張研修の実施
G
ガバナンス
企業経営の基盤 ガバナンス <機会>
  • コーポレート・ガバナンスの改善に継続的に取り組むことで、柔軟かつ強靱な経営基盤を構築することができる
  • 企業理念(MISSION, VISION, Yamato SPIRIT)を浸透させることがガバナンス意識を醸成し、エンゲージメントやパフォーマンス向上につながる
<リスク>
  • ガバナンス意識の欠如や違反により社会や取引先から信用を失う懸念がある
社会に信頼される企業であり続けるとともに、コーポレート・ガバナンスを強化し、気候変動等の大きな環境変化に対して柔軟かつ強靱(レジリエント)に対応できるサステナブルな企業を目指す
  • コーポレート・ガバナンス改革を継続的に実行する
  • 企業理念をグループ全体に浸透させる
  • グループ全体のサステナビリティ経営体制を構築する
  • 取締役会実効性評価の結果から抽出される課題への対応計画の立案と実行をする
  • 社員エンゲージメント向上に向けた具体的施策の実行ならびに全社員サーベイ結果を踏まえた新たな施策の企画を立案する
  • 投資家・市場関係者とのIR面談等におけるご意見の経営会議への報告と経営への反映施策を継続して検討する
  • 国内外グループ各社の実状に応じたリスクマネジメント活動のPDCA確立及び運用細則を策定する
コンプライアンス <リスク>
  • グローバルな事業展開に伴い、法令遵守はもとより、倫理的な問題への対応如何によって、操業停止やブランドなどを大きく毀損する懸念がある
  • コンプライアンス意識の欠如や違反により社会や取引先から信用を失う懸念がある
  • 重大な法令違反の発生無し
  • グループ会社のコンプライアンス強化に向けて以下テーマに注力する
  •   - インサイダー取引防止

      - サプライチェーン上の人権

      - 人権デューデリジェンス

      - 贈収賄および腐敗防止

  • ※1 特段の記載が無い限り、大和工業グループにとって最も影響の大きい鉄鋼事業を対象とした記載となります
  • ※2 日本政府の削減目標に従い2013年度を基準年としています
  • ※3 Scope1・2合計を対象。電炉は事業の特性上、大量の電力を使用することから、電力会社の電源割合の変動による影響を大きく受けます
  • ※4 エコリーフ及びカーボンフットプリント認証

大和工業グループ サステナビリティ中期計画(PDF:927KB)

サステナビリティ中期計画 2023年度の取り組み・実績(PDF:976KB)