トップメッセージ

サステナブルな
社会の実現に向けて、
大和工業グループの
持続的成長と
企業価値向上を両立し、
皆様の未来を支えます

大和工業株式会社
代表取締役社長

小林幹生

大和工業グループが目指すべき姿

大和工業は1944年に創業し、軌道用品の製造と修理から始まり、1950年代から70年代にかけて鋳鋼品の製造、電気炉・連続鋳造機の導入、ユニバーサルミル圧延導入と、鉄鋼事業及び軌道用品事業を中心とする大和工業グループとしての礎を築きました。1980年代後半に国内電炉メーカーに先駆け、海外展開を開始。米国、タイ、韓国、中近東、ベトナム、インドネシアと海外での事業を拡大してきました。

鉄は土木や建築、鉄道といった社会の基盤を支える重要な素材です。加工のしやすさに加え、コスト面でも優位性があるため、今後も世界の社会インフラを支える重要な材料であり続けるでしょう。私たちは類まれなリサイクル性を持つという鉄の特性を活かし、寿命を全うした鉄スクラップを資源として活用し新たな鉄鋼製品として蘇らせるリサイクル事業を通じて、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を実践しています。近年特に気候変動対策として、環境にやさしいモノづくりが注目されています。私たちが手掛ける電炉法での鉄づくりは高炉法に比べCO2排出量も少ないため、これからますます重要性が高まっていくと考えられます。

また、電炉の鉄づくりは基本的に地産地消です。地域にある鉄スクラップを再利用し、現地の人材を採用し、育成しながらモノづくりをし、その製品で各国・各地域のインフラを支えます。私たちのミッションである「鉄で未来を 未来の鉄を」は英語で言うと“Our Steel, Your Future”。私たちのつくった鉄が、地域に根付いた形で社会インフラの整備に貢献することで、各国・各地域の発展と繁栄が実現し、人々の未来につながります。私たちは、これからも環境にやさしい鉄づくりを通して、社会の発展を支え、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。

6つのマテリアリティとサステナビリティ中期計画を策定

当社は、サステナビリティ経営を「事業基盤である環境・社会を維持しながら企業が持続的に成長すること」と考えています。事業活動による持続的成長だけではなく、当社グループが環境・社会に及ぼす影響を認識し、グループ一体となって社会課題の解決に取り組むべく、社会的公正性の実現や地域貢献、環境への配慮を経営のなかに組み込み、安全で品質のよい製品の提供による社会への貢献、サーキュラーエコノミーの重要な担い手として環境保全への配慮に重点を置いた事業活動を行っています。

サステナビリティ経営を推進するために、2020年8月に設置した「CSR委員会(現・サステナビリティ委員会)」のもと、自社及びステークホルダーにとって重要度が高いと考えるテーマ(マテリアリティ)を特定し、2025年度をターゲットとした「サステナビリティ中期計画」を策定しました。当社グループは、6つのマテリアリティ「1.気候変動」「2.資源循環」「3.環境配慮型商品」「4.製品責任」「5.人材育成」「6.企業経営の基盤」に基づき、中期的な視点から着実に活動を推進します。当社グループの持続的な成長と企業としての社会的価値向上のため、サステナビリティ委員会のもとグループ全体での意識の高揚と浸透を図り、これまで取り組んできたことにより一層注力し、積極的に発信していきます。

省エネルギー・生産の合理化により気候変動問題に取り組む

鉄鋼メーカーである当社グループにとって環境、気候変動問題への対応はとても重要なテーマの一つです。当社グループは電炉メーカーとして、鉄スクラップを何度も再利用して鉄を生み出す資源循環という方法で経済を支えてきました。また、当社グループでは省エネルギー・生産の合理化を進め、CO2排出量の削減を実践しています。電炉は多くの電力を使うためCO2排出に関する数値は電力会社の電源構成の変動による影響を大きく受ける部分もありますが、スクラップ予熱装置といった合理化設備を導入することで、当社グループは高炉メーカーの約6分の1、一般の電炉メーカーと比較しても更に25%以上少ないCO2排出量での生産が可能となっています。

環境への配慮や持続可能性が重視される世の中で、電炉による鉄づくりはこれから一層重要になってくると考えています。そのような状況に鑑み、脱炭素への取り組みを更に加速させるため、2050年カーボンニュートラルへの挑戦、またその実現に向けて2030年にCO2排出量を2013年度比で46%削減することを目指す「国内2030年・2050年環境Vision」を策定しました。サステナビリティ中期計画においては2025年のCO2排出量を2013年度比38%削減することをターゲットとし、自社における様々な省エネルギー等の施策を積み重ねることで、CO2排出量削減に着実に取り組んでいます。

加えて、グループ会社のヤマトスチールは主要6製品で「エコリーフ」と「カーボンフットプリント」の環境宣言の認証を取得しています。これら2種の認証を取得したのは、国内鉄鋼業界で初めてです。世界的に脱炭素化の流れが加速する中、お客様に当社の環境にやさしい製品を評価いただき、土木や建築用の鋼材として指定していただければと期待しています。

また、海外拠点でも環境、気候変動問題対応に取り組んでいます。タイの連結子会社であるSiam Yamato Steel Co., Ltd.(SYS)では太陽光発電や廃熱利用を行っており、5.6メガワット規模の太陽光発電設備を2024年度はさらに1.6メガワット拡大する予定があるほか、拠点を置くラヨーン県と連携して水上太陽光発電の導入も検討中です。こうした海外の先進的な取り組みや情報をグループ全体で共有し、気候変動問題への対応と企業価値の向上につなげていく考えです。

当社グループは、これからも「鉄で未来を 未来の鉄を」のミッションのもと、サステナブルな社会の実現と、持続的成長・企業価値の向上を両立していきます。ステークホルダーの皆様には、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。