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プロジェクトストーリー

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「プロジェクト・ロータス」

“可能性”という花を咲かす、
ベトナムの地での
日韓合同一大プロジェクト

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はじまりは韓国最大の
鉄鋼メーカーからの協業提案

「成長の源泉は海外にあり」をモットーに海外展開する、Yamatoの取り組みとチャレンジ精神を伝えるには、過去の事例よりも現在進行形のプロジェクトが良いだろう。
今回紹介するのは、「プロジェクト・ロータス」と名付けられた取り組み。韓国最大の鉄鋼メーカー、ポスコ社が2011年に設立したPOSCO SS VINAに対して、Yamatoが出資参画および操業・技術改善を行うという一大プロジェクトだ。

プロジェクトは2018年9月、ポスコ社からのPOSCO SS VINAでの協業提案からはじまった。
Yamatoは1980年代より海外進出によって事業を拡大し、アメリカ、東南アジア地域、中東地域へ展開してきた。そうした中、ASEANで成長が期待されるベトナムに新たな生産拠点をもつことは、Yamatoにとって大きなチャンスだった。
直ちに社長をはじめとする会社経営陣と、海外事業部、技術部門の選抜メンバーによるプロジェクトチームが結成された。

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解決すべき課題と
実現に向けての方向性

チャンスを手にするためには、リスクを負う必要もある。プロジェクト・ロータスも例外ではなかった。提案があってからポスコ社とのミーティングや現地視察を行うことで、さまざまな課題が見えてきたのだ。
最大の懸案事項だったのが、POSCO SS VINAの経営状況。2011年の設立から赤字つづきで、ポスコグループ全体にとってもその進退は大きな課題だった。また、同社では「形鋼」「丸棒」と呼ばれる2つの製品の製造をしていたが、「丸棒」は他社との比較において競争力があるとは決していえない状況だった。
ベトナム市場は大きな可能性は秘めているものの課題は多い。「乗り越えるべきハードルは高い」というのが、当初のチームの心境だった。

その後、チームメンバーの他にファイナンシャルアドバイザー、弁護士、会計士など社外の専門家も加えて調査・検討した結果、Yamatoが出資を開始するまでにポスコ社がPOSCO SS VINAの経営基盤を整えること、そして丸棒の生産を打ち切り、当社が優れた技術をもつ形鋼の生産に一本化することを協業の条件として提示した。
ポスコ社にとってシビアな条件ではあったが、プロジェクトを成功させるためには譲れないラインであった。

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お互いの間に生じた
ギャップを乗り越えて最終合意へ

Yamatoの技術力を活かしてPOSCO SS VINAを立て直すという目標をポスコ社に理解してもらうことで、2019年8月に基本合意書が締結された。

しかし、ここからがプロジェクトの本当の山場となった。より詳しい調査・評価を行うことで、出資額やエリアにおける既存事業のすみ分けなどについて、双方の考えに大きなギャップが生じたのだ。

交渉は難航。時には厳しい意見が交わされ、あわや決裂という状況になったこともあった。そんな中でもチームは、Yamato SPIRITのひとつである“フェア”を貫いた。

自分たちだけが利益を得るのではなく、お互いが利益を得てはじめてプロジェクトは成功といえる。一方の意見だけを押し通せば、仮に協業に至っても信頼関係を築くことはできない。チームメンバーは常にこの想いをもって、粘り強く交渉に臨んだ。

そして2019年12月13日、ついに最終契約書が締結された。今だから言える話だが、交渉はプレスリリースの寸前まで行われていた。
プロジェクト推進部隊の役割を担っていた海外事業部のメンバーは、「正式発表されるまでは緊張の連続だったが、プレスリリースを見た時はあきらめずに取り組んで良かったという達成感が湧いてきた」と当時を振り返る。

最終契約書の締結から各種詳細条件の調整を経た2020年3月、POSCO SS VINAはPOSCO YAMATO VINA STEEL(PY VINA)へと生まれ変わり、新たなスタートを切った。

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PY VINAへの
操業指導・技術改善がスタート

PY VINAが発足し、Yamatoの製鋼や圧延、設備保全などのスペシャリストたちが技術指導を開始。最初の段階はリモートミーティングなどを行い、ベトナムにある工場の状況を確認。そして2020年9月から主要メンバーが現地に赴き、長期に渡る技術指導に取り組んだ。

指導を行うためには、まず現場の状況を把握しなければならない。「実際に工場でスタッフが作業を行うところを確認したことで、リモートミーティングや資料では分からなかったことも見えてきた」と、製鋼に長く携わってきたメンバーは言う。その中には、日本では当たり前のことでも、ベトナムではそうではないこともあった。

そうした課題を洗い出しながら、日本にいるエンジニアと連携をとって改善策を検討した。確かに改善すべき点はたくさんあったが、それをマイナス要素ととらえるのではなく、プラスにつながるチャンスと考えて取り組んだ。

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プロジェクトの成功は
成長を維持すること

工場ではベトナム、日本、韓国、タイなど、さまざまな国のスタッフが働いているため、コミュニケーションは基本的に英語で行うことに。それぞれが母国語でないため、ちょっとしたニュアンスの違いが大きな誤解つながることもあるので注意するよう心がけた。

生産に関してもこれまでのやり方や考え方を変えるのは簡単ではなかったが、ここでもYamato SPIRITのひとつである“和の精神”が事態を前進させた。

「すぐに結果を求めて一方的に注意するだけでは信頼関係は生まれないし、技術も定着しない。相手が『なぜ、この工程が必要なのか』を理解してはじめて技術向上につながる」と、技術指導を担当するメンバーは話す。
指導のアプローチ方法に加えて、現地のスタッフの積極的に学ぼうとする姿勢もあって、当初の想定よりも早く改善の効果はあらわれはじめた。

ターニングポイントになったのは、それまでベトナムの工場では行っていなかった生産工程を取り入れたこと。その工程は日本では必須だったため、ベトナムでも取り入れるようアドバイスしたものの、最初はなかなか受け入れられなかった。そこで実践的なテストを行い、効果を実際に確認してもらったことで信頼感が生まれたのだ。

こうした地道な活動により、協業前に赤字つづきだった業績は黒字に転換。現在のところ順調に軌道に乗りつつある。しかしプロジェクトの成功はひとつの成果を挙げることではなく、それを維持することにある。この目標を達成するため、今も現地のスタッフ同士はもちろん、日本にいるチームメンバーや後方支援にあたる社員たちと連携・協力しながら日々の業務に取り組んでいる。