技術職向けプロジェクトストーリー
yamatoの一大プロジェクト
「矯正機」刷新の軌跡と未来への布石
矯正機の安全性と品質向上を目的とした、yamatoとしても30~40年に一度レベルの大規模な設備投資プロジェクト。 圧延部を中心に、施設管理課や他の課の協力も得て、まさにyamatoが一体となった一大プロジェクトになりました。

PROJECT MEMBER

圧延部
Y.F
2005年入社
どこでも寝られます

圧延部
H.Y
2008年入社
実は爆食いが特技です

圧延部
T.W
2007年入社
面倒見が良いと言われます

圧延部
H.I
2022年入社
懐の深さはピカ一です
EPISODE 01
一発勝負の
巨大プロジェクト始動
矯正機*とは、機械の製品内残留応力を小さくする、ひずみを解消する役割で、製品の品質に影響を与える装置です。
この矯正機の安全性と品質向上を目的に、2015年からプロジェクトの構想がスタート。
工事予定地の調査、パートナー選定などの準備期間に数年をかけ、ついに2023年に着工しました。
プロジェクトを振り返りながら「こんな規模の設備入れ替えはしたことがなかった」とメンバーは口々に語ります。
製品の大型化が矯正機本体の経年劣化とも重なっていたこともあり、yamatoとして初めて、おそらく日本国内でもあまり例を見ない、設備撤去を伴う入れ替え作業という大規模な取り組み。

また、旧矯正機の導入時にはなかった「両持ち」**の矯正機が提供されてきたこともあり、旧矯正機の「片持ち」からの変更にyamatoとしても興味があったことで実現しました。
プロジェクトを遂行する上で自然と役割が分担され、フォローしあうチームの理想のような中心メンバー4名で、一大プロジェクトが始動。一発勝負の戦いが始まりました。
*矯正機とは
機械の製品内残留応力を小さくする、ひずみを解消する役割の装置。
熱間圧延をした製品は冷却床という箇所を経て常温に近い温度まで温度が低下するが、温度の上昇、下降により、製品の中には「残留応力」というものが出ます。
また、製品の形状においては、圧延、冷却の過程でひずみが残るため、この製品内の残留応力を小さくする、ひずみを解消するのが矯正機の役割です。
**「片持ち」と「両持ち」の違いとは
旧矯正機導入当初は「片持ち」式が主流。時の流れと共に製品の大型化が進むと、「片持ち」の矯正機では矯正ローラーを支える軸の傾きが起きやすいため、製品品質への影響が懸念されていました。一方で「両持ち」は2点で軸を支持するため剛性が高く、軸の傾きが起きにくい事から製品への荷重もほぼ均等に掛ける事が出来るため、安定して圧下精度も向上させる事が出来るというもの。
EPISODE 02
言語と文化の壁を越えて
プロジェクトを導く


経験豊富なメンバーが揃っていても、初めての大型プロジェクトとなれば、予期せぬことや不安、難しいこともたくさんありました。その障害の一つは言語です。
今回、導入するのは海外の機械。
当然、機械の画面や説明全てが英語ですが、今回のプロジェクトで強みとなったのは、英語を苦としないエンジニアがいたこと。プロジェクトメンバーに駐在経験者が多く英語のコミュニケーションができたので、プロジェクトを進めていく上で、協業先のドイツ・SMS社のエンジニアたちと言葉の壁をあまり感じることがありませんでした。
一方、コミュニケーションはうまくいっても、文化の違いや距離が障害になることはあります。
設定したはずの設備が動かないという不測の事態や、必要な部品が期日までに届かないなど、予測できなかった事態も。
慌ててSMS社のエンジニアと連携を取っても数時間待つことになるなど、日本とドイツの距離やタイムラグだけでなく、仕事の考え方における文化の違いも感じる場面が多々ありましたが、関係者の連携プレーで見事乗り越えることができました。
関係者一人ひとりが真摯に向き合ってくれたことが、プロジェクトを成功に導いたのです。
EPISODE 03
“無事故”達成のポイントは
丁寧なコミュニケーション
今回のプロジェクトの課題の一つは、1ヵ月以上の停止期間を伴う設備更新であること。
苦労したのは、国内の生産をなるべく維持するために旧矯正機を入替直前まで稼働させなくてはいけなかった点だと言います。
土地が豊富にある海外では、稼働している生産ラインの近くに矯正機を建設して、ホットコミッションが完了したところで既存ラインと接続するというやり方もありますが、土地が限られているyamatoでは、この入れ替えが難関なポイントの一つでした。
最低限、旧矯正機が稼働する為に必要な動力は維持しながらも、操業を支援する機器に関しては一時撤去してから再設置があった事も。

最初は不安があったプロジェクトも、全体工程の半分ほど進んだタイミングで形が見え、「いけそうだ」という確信を持てたと言います。
そこでもポイントは、関係者と対話し、調整していったこと。プロジェクトを中心になって進めていったメンバーだけでなく、営業、電気など社内の様々な部署のメンバーと丁寧に対話を重ねました。
その結果、プロジェクト始動時に目標にしていた「無事故で終えること」が無事達成できたのです。
EPISODE 04
持続可能な
成長を目指して:
チームの協力で開く
yamatoの新章
今回のプロジェクトを通して、海外メーカーの設備機器を入れ替える経験が出来た事で、次に計画している圧延機更新に向けた非常に良い経験を得ることができたと言います。
本プロジェクトのメインメンバーとなった圧延部としては、この次の大きな取り組みとして主たる圧延機の更新を2027年~2028年に控えております。
今回のプロジェクトでは、SMS社から初めて大型機械を導入したため、様々な部分で未知数の情報が多かったものの、最終的には次に活かせるような収穫のある結果に。
「我々はプロジェクトメンバーではありますが、本来の所掌は設備保全係なので、導入して終わりではなく、導入後もその機械とは付き合っていかなければなりません。維持していくには時間も人もお金もかかります。そういった箇所をドイツからの支援無く、出来るだけ国内で対応できる様にしていかないといけません。圧延機更新ではなるべくそういった箇所を初期段階から減らしたい」という思いを語ってくれました。

今回のプロジェクトを糧として、次のさらなる挑戦と進歩に向けて、関係者一人ひとりが協力し合いながら、新たなyamatoの歴史を刻んでいくことでしょう。
INTERVIEW
プロジェクトを振り返って
本プロジェクトに参加したメンバーの鉄人エピソードは何といっても、しっかり工事期間を完走したこと。
加えて、印象的だったのは・・・?

操業中に必要な設備が入れ替えの邪魔してしまうシーンが多発したことですかね…。
検証したり、補強したり、中途半端な作業をするわけにはいかないので、かなり苦労しました。

そうですね、実際に設備が入るのか?というのはギリギリまでドキドキして。
収まったら「計算通りや!」ってみんなで喜びましたね。
あとはやっぱり、プロジェクトメンバーを最小限でオペレーションした点じゃないでしょうか。

やっぱりプロジェクト中は最大瞬間風速的な、ハードな働き方もありましたしね。
一同、苦笑い
これからyamatoで一緒に働きたい!と思うのはどんな人ですか?

現場も、スタッフも明るくてよく喋って、よく食べる方ですかね。

結局身体が一番大事ですからね。

いろんな年代、いろんな人と関わる仕事なので、コミュニケーションは絶対大事です。
よく喋る子もそうですし、場に飛び込む勇気がある人。それが別にお酒の場や休憩の時などでもいいと思いますし、積極的なコミュニケーションができる子だといいと思いますね。
ただ、丁寧な仕事が求められるので猪突猛進じゃなくて、自ら飛び込みつつもしっかり考えることができるのは大事かも。

したいことがちゃんと主張できることが大事ですかね。
主張してくれたら僕らがサポートしてあげられるので。
僕たち自身、今回のプロジェクトは声がかかってやることになりましたけど、以前から「大きいプロジェクトしたいな」と思って主張していた。その結果、やりたい、できると思っているメンバーが集ったので。
実際やることになって「こんなチャンスがあるんだ」と思いましたし。

できるメンバーが集いましたね、知識も経験も、性格も。
思い切りやガッツのあるメンバーが揃いました。
大変な経験でしたけど、こうして振り返ると笑い話にできる。

入社間もない大きなプロジェクトでしたが、先輩方の仕事に向き合う姿勢から多くを学び、成長することができたと感じています。今後のプロジェクトでも、この経験を生かして頑張っていきたいです。
最後にメッセージを
大和工業グループの皆さま、プロジェクト中はご協力ありがとうございました。
各課、特にオペレーターの皆さんには大変助けていただいて。
僕らプロジェクトメンバーだけでなく、社内のメンバー、協力会社のお力あってこその成功だったと思います。
ありがとうございました!

安全第一と
現場の連携が大切!