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技術を支える
“3つの柱”

ヤマトスチールの技術力を支える生産工程、操業力、技術者。
この強固な基盤が、私たちの技術を支えています。

生産工程 脱炭素の鉄づくり

役目を終えた鉄スクラップを電気の熱で溶かし、新しい鉄鋼製品として生まれ変わらせる電気炉事業を担っています。
業界のリーディングカンパニーとして、脱炭素に積極的に取り組んでいます。

製鋼工程

圧延工程

操業力 国内有数の
先進設備
01

130tの直流電気炉で溶解

日本国内でヤマトスチールがいち早く導入した最新鋭の単段式炉頂スクラップ予熱装置(SSP)。省エネルギーで効率的な鉄スクラップの溶解を実現し、高い生産性を維持しています。

操業力 国内有数の
先進設備
02

1ラインで
多種多様な製品を製造

H形鋼、鋼矢板、I形鋼、溝形鋼、造船用形鋼の各種製品多サイズ(H150×150からH900×300まで)が製造可能。これほどの柔軟な生産体制を構築しているのは国内では当社のみです。

操業力 国内有数の
先進設備
03

日本最大級の
大型設備を保有

鋳鋼製品は最大40t、重工製品は最大70tまでの製作を可能とする大型設備を保有しており、数多くの船舶用品や陸機用の鋳鋼品、スタンフレームの制作実績があります。また作業者全員が船級資格を保有しています。

技術者 未来を形づくる者たち

Interview 01

質の高い経験の積み重ねが、
圧倒的な差を生む

  • 製鋼部
  • 製鋼技術課
  • K.M

Profile

2009年入社。製鋼部にて連続鋳造機や電気炉の操業に携わり、2017年から5年間、米国のグループ会社「Nucor-Yamato Steel Company」に出向。帰国後は海外赴任で得た知識を活かし、製鋼工程の操業改善や最新設備の導入を指揮している。

多くの若手が海外駐在を経験

グローバル鉄鋼メーカーである大和工業グループでは、海外のグループ会社の工場に私たちヤマトスチール社員が技術支援員として出向し、現地で様々なプロジェクトに参画し、幅広い経験と知識を得てまた日本に戻ってきます。この経験こそが、ヤマトスチールの“操業力”につながっていると感じます。海外の工場も立ち上げから30年以上経っているため独自のノウハウを構築しており、日本にはない強みを持っています。それを直接学び取り、帰国後の操業改善に大いに役立てることができます。また、現地で世界市場の最新情報を得られることも大きな強みだと思います。社内には海外経験のある社員が多数いるため、新たな技術を導入する際は国内外問わず多くの情報が集まります。

現場を知り尽くしたリーダーが、
工程を管理

ヤマトスチールの強みは1ラインで多種多様な製品を提供できること。しかも驚くほどの短納期で。たった一つのラインで、なぜそのようなことが可能なのか。理由のひとつは、高品質な製品を早く生産できるように最適化された大小様々な連続鋳造機を取り揃えているからです。電気炉で溶かされた鉄は連続鋳造機で固められ圧延素材となります。素材の品質は圧延後の製品品質にも影響するため非常に重要です。もちろん、機械の状態が良くなければ操業に影響しますから、メンテナンスなどの管理も常に万全です。我々がもっとも大切にしていることは製造現場の声を聞くこと。各現場のスペシャリストと毎日コミュニケーションをとり今の状況を知る。だからこそ、的確な指示をスピーディーに出すことができ、お客様からの急なご依頼や、多品種小ロットのご要望にも柔軟に対応できるのです。

一人ひとりの成長が
ヤマトスチール
の技術力を底上げ

当社は、技術者が様々なことにトライできる会社です。私自身、入社してすぐの頃から設備導入に携わるなど、きっと他ではできない経験を数多く重ねてきました。操業改善のアイディアが閃けば即実行に移せるところも、当社ならではだと思います。実際の操業現場で試してみて、上手くいけば実装される。その繰り返しの中で、スキルが着実に磨かれていると感じます。さらに海外で視野を広げ、身に付けた知見をベースに今度はリーダーとしてマザー工場の発展に貢献できる。常に新しいことにチャレンジできる環境は、本当に恵まれています。その中で私は“製鋼”という上流工程において、お客様に満足頂ける高品質な製品作りを極めていきたいと思います。

Interview 02

大規模投資。
圧延ラインの
全面リニューアルに挑む

  • 圧延部
  • 圧延製造課
  • Y.H

Profile

2010年入社。3年目から5年間は韓国に駐在し、製鋼・圧延・環境等の技術支援を担う。現在、圧延工場において、圧延方法の立案や作業者への指示、新製品のロール設計などに従事。2028年完成予定の圧延ラインの全面更新プロジェクトにも携わっている。

1ラインでの多品種製造は
世界に類のない技術

私たち圧延部門の一番の強みは、H形鋼のフルラインナップを製造できることです。おそらく同等規模の設備で、900㎜幅の大型製品をつくれる工場は世界中を探しても他にないでしょう。製品に対して小さな設備のため、当然、製品が大きくなればなるほど、高精度なモノづくりは難しくなります。そこを、圧延機の調整技術を駆使して製造可能にしてきたところが、ヤマトスチールの凄さだと思います。もちろん、さらなる品質向上は私たちが取り組むべきテーマ。圧延製品は、圧延機の制御だけでなく、複数の設備状態や1000℃を超える温度等の様々な変動要因によって寸法精度が大きく変わるため、毎回複数の変動要因を分析しながら改善を繰り返しています。その分析の結果、自分のアイデアが成果につながった時は大きなやりがいを感じますね。寸法精度は年々向上しており、お客様からも評価の言葉を頂いています。

設備更新によるIoT化を推進し、
さらに品質を上げていく

お客様が求める製品を、“小ロット・短納期・電気炉による低コスト”で提供できる。この強みに加えて更なる品質向上と安全性の向上を目的に、「圧延ラインの全面更新」という大規模なプロジェクトが進行中です。数百億円を投資し、最新鋭の設備を導入する計画。私が担当する範囲だけでも100億円を優に超えるプロジェクトになります。

新たな設備を導入するにあたり、やりたいことはたくさんあります。IoTの推進もそのひとつ。たとえば、今の古い圧延機には最先端のセンサーを搭載することはできませんが、更新後の圧延機であれば、あらゆる動きを数値化し詳細なデータとして取り出すことが可能になります。つまり「製造途中の製品の状態を、正確に監視確認できる」ということ。品質はもちろん、生産性も大きく上がるはずです。2028年の工事完了を目指して、他にも様々なことに挑んでいきたいと思います。

日本で得た技術を海外へ。
そしてまた日本へ

「圧延機を変える」ということは、設備だけでなく「操業方法も変わる」ということ。現場の作業方式が大きく変わるため、作業者をいかに育成していくかが今後の課題となるでしょう。今私は、プロジェクトを牽引するひとりとして、人材育成を含めた多くのノウハウを習得しようと考えています。そしてその経験を、海外のグループ会社の工場更新にも活かしたい。すでに、アップデートが計画されている工場はいくつかあるため、その時に必要とされる人材になりたいと思います。日本のマザー工場のノウハウを世界に展開し、そこで得た新しいノウハウをまた日本で活かす。こうしたサイクルをつくることが、お客様からの評価につながっていくはずです。

Interview 03

巨大な船尾部を、
一貫体制で
造りあげる醍醐味

  • 重工部
  • 鋳鋼課
  • 仕上係
  • J.K

Profile

2005年入社。船舶の船尾部(スタンフレームやラダーホーンなど)を製造する重工部門にて、鋳鋼品の高い製作技能を習得。現在、鋳鋼品製作の工程管理や最新設備の検討および導入業務を担いつつ、若手技能工の育成にも力を入れている。

鋳鋼から機械加工、製缶までこなせる総合力

私が所属する「重工部門」では、主に船舶の船尾部の製作を手掛けています。特に“スタンフレーム”と呼ばれる船尾ブロックは国内トップクラスのシェア。当社のように、大型鋳鋼品の製作から機械加工、製缶構造物の製作まで一つの工場で完結できるメーカーはかなり稀少で、他社と比べて大きな優位性があると思います。つまり、私たちがつくった鋳鋼品を同じ工場で機械加工し、さらに組み立てて一つの巨大な船舶の一部にできてしまう。当然ながら納期を短縮できますし、コストメリットも大きいのです。この他社にはない優位性により「鋳鋼品」と「製缶構造物」の一括受注を数多くいただいています。

選ばれ続けるために、ハードもソフトも磨いていく

お客様である各造船所は、当社の高い品質と技術力、そして柔軟な対応力を求めていらっしゃいます。それに応え続けていることこそ、今の受注や深い信頼関係につながっていると思いますね。ハード面では、最大40トンもの鋳鋼品を製作できる設備や高さ8メートルの巨大な部材に対応できる稀少な加工機などが揃い、ソフト面では「曲げ加工」の技能の高さが業界でも高く評価されています。もうひとつ、設計段階から技術協力ができる「提案力」も私たちの強みです。事前に図面を見せていただき、よりコストを抑えられる形状などをアドバイスできるところが、お客様に喜ばれています。「また相談に乗ってほしい」との言葉をいただくと、私たちもとても嬉しい気持ちになります。

目指すは、最先端の職場づくり×若手育成

鋳鋼工程の管理業務を担う中で、私が今力を入れているのが「若手の育成」です。世代交代により若手の技能工が増えている今、熟練工の先輩方の技術や経験をいかに継承していくかが課題。一人ひとりを“多能工”に育てることを目標に、技の一つひとつをマニュアルに落とし込むなどの仕組みづくりをしています。それぞれが幅広い技を習得することで、お客様からの細かな要望にも臨機応変に対応できる。そんな技能者集団にしたいと考えているのです。もちろん、先輩方の技術や経験を引き継ぐだけでなく、その技術の発展や設備化を意識することも重要です。同業他社より安全で、最先端の設備や技術を備えた職場づくりを目指していきたいと思います。