Our Steel, Your Future
ーAt a Glanceー

鉄のサーキュラーエコノミー実現へ
鉄と電炉の優位性を活かした持続可能な事業を

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サーキュラーエコノミー

環境への責任

鉄鋼業界として必要な
脱炭素への取り組み

近年、地球温暖化やそれに伴う気候変動問題は人々の生命や生活を脅かす大きな問題となってきています。

鉄鋼業界はこれまで日本のインフラなどを支える主力産業として重要な役割を担ってきましたが、同時に製造過程においてエネルギーを非常に多く必要とすることから、日本のCO2排出量全体に占める割合は13.6%と最も大きく、わたしたちに求められる役割も非常に大きいと認識しています。

当社グループにおいても、このような課題や状況を真摯に受け止め、技術力の向上、エネルギーの効率化などを通じてCO2排出量削減に積極的に取り組むことにより、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

産業別CO2排出量
産業別CO2排出量のグラフ

(出典)環境省 2021年度 温室効果ガス排出量

電炉の強み

資源循環だけではない、注目される電炉法のメリット

鉄は、世界で豊富に存在するだけでなく、安価で加工も容易で、その再利用率は9割以上となっており「半永久的に循環できる素材」であるといわれています。その特性を最大限に活かすような完全なリサイクル(クローズドループリサイクル)を確立することで、天然資源の採掘量を減らし、消費するエネルギーも減らしていくことを当社グループは目指しています。

鉄鋼製品の作り方には大きく分けて「高炉法」と「電炉法」の2種類があります。

当社グループが手掛ける製造方法「電炉法」は、鉄スクラップを主たる原材料としています。寿命を全うした鉄スクラップを電気のアーク熱で溶解し、新たな鉄鋼製品として蘇らせることで、資源循環によるサーキュラーエコノミーを実践しています。

また、電気で熱を発生させ鉄スクラップを溶解するため、CO2の発生量は高炉法の約4分の1となっています。さらに電気代の安い夜間に稼働するなど時間単位で稼働を調整することが可能であり、需給状況やお客様のご要望に応じた機動的な生産調整も容易です。

日本では電炉法は2021年時点で国内粗鋼生産量の約25%を占めています。米国においては電炉比率が約70%程度となっていますが、世界的な電炉のシェアは約30%となっています。近年、環境にやさしくCO2排出量も少ない電炉法の割合が増加傾向にあります。

「鉄」のクローズドループリサイクル

「鉄」のクローズドループリサイクルの図

「電炉」の特徴

大和工業グループとしての取り組み

環境においても
リーディングカンパニーとして
常に一歩先へ

当社グループは、電炉業界の中でも特に環境への取り組みに力を入れています。グループの中核企業であるヤマトスチール株式会社では、電気炉から排出される高温ガスを利用して、鉄スクラップを前もって加熱することで、大幅な省エネルギー化を実現する単段式炉頂スクラップ予熱装置(SSP)を2019年度から業界で初めて採用し、CO2排出量削減を進めています。

これ以外にもリジェネバーナーの導入、低温圧延、操業の自動化などを通じて生産性を高めているほか、鉄鋼業界でいち早くグローバル展開した強みを活かし、海外のグループ会社と連携した技術力の向上、エネルギーの効率化に取り組んできました。また、一般社団法人サステナブル経営推進機構が認証する「エコリーフ」及び「カーボンフットプリント」の2種類の環境宣言の認証を国内鉄鋼業界ではじめて取得しました。

単段式炉頂スクラップ予熱装置(SSP)

今後も製鋼電気炉排ガス分析装置の導入、圧延設備の更新を段階的に行う予定です。導入効果としては、省エネによるCO2排出量の削減及び生産の合理化だけでなく、更なる高品質製品製造による顧客満足度の向上を期待しています。

タイのグループ会社Siam Yamato Steel Co., Ltd.(SYS)においては、太陽光発電による自然エネルギーの活用や廃熱利用の促進などの環境対策を積極的に実施しています。2017-2020年で2.84MWの太陽光発電設備を導入しており、年間約2,000t-CO2の削減効果を確認しています。更に2021年には2.76MWの太陽光パネルを追加導入し、再生可能エネルギー導入量の合計は5.60MWとなりました。また、タイの地方電力公団(PEA)、タイ工業団地公団(IEAT)が主催する水上発電設備建設プロジェクトへの参画も検討しており、導入した場合は電力調達価格引き下げも可能になると考えられます。

タイ(SYS)で導入している太陽光発電設備

加熱炉で発生した廃熱を用いて発電を行う“ORC(オーガニックランキンサイクル)”を導入し、発電した電力は工場内で利用しています。2018年報告では、760,719 kWh/年の発電量を達成しました。

大和工業グループが目指すこと

グローバルでの対応を見据えて

当社グループは、日本の電炉メーカーとしてはいち早くグローバル展開を行い、現在では世界7カ国で事業を展開しています。グローバル展開のパイオニアとして、鉄鋼製品・軌道用品事業を通して各国・各地域のインフラと発展を支え、技術伝承による地域産業の振興、雇用創出に貢献してきました。そして、地球環境への対応についても、地域での地産地消が可能という電炉の特性を活かし、ライフサイクル全体の環境負荷を抑えながら、日本で培ったノウハウを地域の特性に合わせて上手く融合することで、グループ全体で地球環境への責任を果たしていきたいと考えています。

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